小・中学生の野球・ソフトボール選手が大人になっても痛みなくプレーできる方法

多くの野球・ソフトボールをしている小中学生が、野球肘・野球肩をはじめ、腰や下肢の過労性疾患などで悩まされています。そんな子ども達、保護者、指導者の方々に医療の知識やメンタル面などの様々な視点から物事を考えていただきたいという、一人の理学療法士の思いをつづったブログです。

オーバートレーニング症候群

皆さん、本日もブログをご覧いただき、ありがとうございます。

スポーツを愛する理学療法士、原田潤一です。

 

まず本日はお詫びから申し上げさせて下さい。

 

先日の身体ケアのエントリーで、次回に続くと記載していましたが、諸事情により後日に延期させていただくことにしました。お待ちしていた読者の方が居たら本当に申し訳ありません。必ず継続記事を投稿しますのでそれまでお待ちください。


では、本日の話題なのですが、先日23歳の若さで現役を引退されたある女子サッカー選手のお話です。

 

 

その選手の名は、浦和レッズレディース所属の藤田のぞみ選手といいます。2012年に行われた20歳以下のワールドカップでは主将としてチームを牽引し、3位へと導きました。

 

 

そんな将来の活躍を期待されていた彼女がなぜ、23歳の若さでユニフォームを脱ぐ決断をしたのか・・・・

 

それは、オーバートレーニング症候群という疾患により選手生命を絶たれてしまったというのです。

 

オーバートレーニング症候群というのは、簡単に説明すると、過剰なトレーニングの量や内容によって溜まった疲労を回復する前に、さらなる負荷を積み重ねることで、慢性的な疲労状態に陥ることをいいます。なお、一度発症した場合、長期間の休養・離脱となることが多く、今回のように復帰できないケースもあるようです。

 

主な症状として、パフォーマンスの低下、安静時の心拍数・血圧の上昇、抑うつ感、かすり傷でも治癒が遅い、ヘモグロビンの減少などが挙げられますが、ここに書ききれない症状も多く存在します。

 

原因としては、運動時の肉体的、精神的なストレスなどが生じた際、自律神経系などのホルモンバランスなどが崩れが挙げられています。

 

注意すべきは、この疾患には心理的な負担というのも大きくかかわっているということです。職場・私生活でのストレスも身体にかかる負荷に大きな影響を及ぼすともされています。

 

  

今回のケースでは、一体何が問題だったのでしょうか?

 

 

・練習を指導していた監督・コーチの責任?

 

 

・自己管理が甘かった選手自身の責任?

 

 

・ストレスを与えるような環境の責任?

 

 

 

これ自体は、もちろんわかりません。明確な理由があったかもしれないし、全てが重なり合って起きてしまったのかもしれません。

 

私が問題だと考えることは、このオーバートレーニング症候群を、関係者が、どの程度把握していたかというものです。

 

特にサッカーの場合、元日本代表の大久保嘉人選手も発症していたわけですから、絶対に知っておかなくてはいけない疾患のはずです。

 

 

日本では一生懸命、限界まで頑張ることが美徳とされています。また、根性論たるものが未だにスポーツ界に根づいております。

 

 

私は、このこと自体が全て間違っているとは思いません。肉体的、精神的負荷をかけることが、選手・チームの向上つながるケースもあると思っています。

 

 

しかしながら、全てにおいて

 

 

「根性がない!」

 

 

「気合いを入れろ!」

 

 

と、いう面につなげてしまう指導者の方がいらっしゃることも事実だと思っております。

 

 

本来はトレーニングを設定する際には、基本原則というものがあります。その原則に従い慎重にトレーニングメニューを設定しなければならないですし、心理的な側面も考慮にいれないといけません。

 

前述の傾向にある指導者の方々は、もしかすると今回の藤田選手のように潰してしまっている選手がいるかもしれません。

 

 

もし仮に関係者やそのような指導者の方がこの文章を読んだ際に、

 

 

「現場に出ていない、お前に何がわかるのか!」

 

 

などのご意見もあるかと思います。

 

 

しかし、私は少しでも多くの人にこのような問題が起きているということを知っていただきたいと思って書いていますので、

 

 

自分の意見は

絶対に曲げずに、

 

他人のことを気にしすぎずに

 

これからも記事を

書いていきたいと思います!

 

 

すみません。話が脱線してしまいました。

 

 

もちろん指導者だけでなく、選手自身もよりよい疲労回復の方法を勉強したり、私生活のストレスの軽減に努めたり(なかなか一人では難しいが・・・)、することも重要です。

 

 

そして、私たち医療関係者も、このような疾患がある事を世の中に伝えていくことが、大切なのではないでしょうか。

 

本日の記事をまとめますと・・・

 

①オーバートレーニング症候群は様々な症状が現れる

②指導者はトレーニングメニューを決める際に負荷の設定は原則に基づいて行う

③選手自身でも疲労回復などに関することを理解しておく

④指導者・選手各々でストレスについて注意する

 

一人でも多くの方に、この疾患が伝わるように・・・

 

 [参考文献]

スポーツリハビリテーション 最新の理論と実際 

          編 コルト スナイダー=マクラ―

          監訳 守屋秀繁

                       西村書店

 

厚生労働省HP eヘルスネット オーバートレーニング症候群

 

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